埼玉新聞

 

どうなる?手つかずの「一等地」 入間市駅近接のジョンソン基地跡地留保地、利用計画見直しで市がWS

  • 西武池袋線入間市駅前に広がる米軍ジョンソン基地跡地の留保地=4日午前、入間市

  • 入間市駅前保留地の位置(入間市提供)

 入間市向陽台1丁目のジョンソン基地跡地留保地の「入間市駅前側留保地」(約7・4ヘクタール)について、市が利用計画の見直しに取り組んでいる。戦後に米軍基地の一画となり、現在は西武池袋線の駅に近接する「一等地」。2008年に利用計画を策定したが、財政状況の悪化などから手つかずの状態になってきた。市は市民参加のワークショップ(WS)を11月から開始。会合での意見をまとめるなどして、新たな利用計画を来年3月をめどに策定する。

 入間市駅前側留保地は同駅南口近くから池袋方面に向かう線路沿いと、航空自衛隊入間基地西側にかけて広がる区域。市役所や県立豊岡高校、UR都市機構の集合住宅にも近く、現在は財務省関東財務局が管理している。

 市の利用計画では、駅前側と共に、旧東町側留保地(約28ヘクタール)の活用を模索。旧東町側は防衛省が、普段は市民が利用できる災害対策拠点施設「入間基地病院グランド」などを整備した。

 一方、駅前側は利用計画で、公共施設配置▽民間商業施設▽駅南口交通広場拡張―の三つのゾーニングを設定し、道路も整備するとしてきた。しかし計画は進まず、市内のジョンソン基地跡地で唯一残された留保地となっている。留保地には樹木や草が茂り、コンクリートの残骸やパターゴルフ場の跡などが残されているという。

 市は21年に策定した利用計画の見直し基本方針で、駅前側留保地の将来像として「流入や定住の人口の増加や市の歳入増につながるような活用を考えたい」と展望する。今年4月には利用計画審議会に諮問し、新たな利用計画書案の検討に入った。

 11月19日に開かれた初のWSでは、利用計画や留保地の現状について市が参加者に説明した。市は23年1月までに計3回の会合を開き、意見をまとめる。また民間開発事業者に参入の意向を聞き取るほか、URからも助言を受けるなどする。23年3月に利用計画審議会が市に答申する見通しだ。

 市の担当者は駅前側留保地について「三つのゾーニングが前提だが、そこにこだわらずに見直しを検討していく」と話している。

 今後の具体的な活用には「関東財務局と調整する必要がある」といい、「活用方法によっては現行の市街化調整区域を市街化区域に編入する可能性もある」としている。

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