<知事選>動きが活発化 国民民主・大野氏が出馬表明 自民県連は青島氏に出馬要請へ 行田氏は希望を離党
8月25日投開票の知事選に向けた動きが5日、活発化した。国民民主党の大野元裕参院議員(55)=埼玉選挙区=は県庁で会見し、無所属で出馬を表明。自民党県連は元プロ野球選手でスポーツライターの青島健太氏(61)に立候補を要請する方針を固めた。
知事選を巡っては、既に出馬表明している行田邦子参院議員(53)が希望の党を離党。現在4期目で全国知事会長も務める上田清司知事(71)は態度を明らかにしていないが、大野氏の出馬表明に「渦の中にお一人入った」と述べた。共産党も独自の候補擁立を探っている。
大野元裕参院議員は5日の会見で、知事選出馬の動機について「埼玉県は超少子高齢化社会の課題に直面している。今後、失速していく現状を放置するわけにはいかない。これまでの経験と埼玉県に対する情熱を使い、10年後の埼玉県のビジョンを政治家としてつくりたい」と述べた。無所属で立候補するという。
大野氏は5月20日の国政活動報告会で、国民民主党を近く離党する意向を支援者に伝え、知事選出馬には「否定するつもりはない」と含みを持たせていた。
前回(2015年)知事選では、大野氏は上田清司知事から後継候補として出馬を打診されたが、最終的に上田氏が自ら立候補したため、実現しなかった経緯がある。
今回出馬を決めた理由について、大野氏は「4年前に上田知事から声を掛けてもらい、埼玉県に政治家として強く関心を抱くようになった。自分自身が新しい埼玉の時代に、しっかりとした答えを出させていただきたいと考えた」と説明。
上田氏については「多くの成果を出されてきた」と評価する一方、上田氏自ら3期までと定めた多選自粛条例に反し4選を決めたことに触れ、「条例は重い。自ら責任を果たすべき」と指摘。「後継候補」であることを否定した。
参院議員2期目の大野氏は中東情勢などに詳しい元外交官。10年7月の参院選に旧民主党公認で立候補し、初当選を果たした。民主政権時代は、防衛大臣政務官などを歴任した。
祖父の大野元美氏(故人)は川口市長を通算6期務め、在任中に川口自民党(現在の自民党川口支部)を組織。1972年の知事選には自民公認で立候補したが、落選した。地元では「川口自民」の礎を築いた元美氏を知る有権者や支持者も多く、孫の大野氏に知事選出馬への待望論が膨らんでいた。
こうした中、川口商工会議所の政治組織である日本商工連盟川口地区は5月、大野氏に知事選への出馬を要請し、自民党県連には大野氏への支援を求める嘆願書を提出。大野氏は支持者らと話し合い、ここ数日の間に知事選出馬を決意したという。
大野氏は参院議員の辞職について、国会本会議の閉会日(6月21日)以降との考えを示した。