埼玉新聞

 

集団下校や防犯ブザーの使用などを再確認 川崎の殺傷事件受け、県教育委が注意喚起を通知

  • 県庁=さいたま市浦和区高砂

  • さいたま市役所=さいたま市浦和区常盤

 28日午前7時40分ごろ、川崎市多摩区登戸新町の路上で、男が私立カリタス小(多摩区)のスクールバスを待っていた児童らを次々と包丁で襲った。神奈川県警によると、保護者2人を含む19人が刺されるなどし、うち2人が死亡、3人が重傷を負った。14人は軽傷。

 川崎市で女子児童らが襲われた事件を受け、県教育委員会は28日、各市町村教育委員会を通じて県内の公立小中学校と、県立高校、特別支援学校に注意喚起の文章をメールで通知した。日頃から呼び掛けている集団下校をするなどして単独で下校しないことや、万が一の際は防犯ブザーで助けを求めることなどを再度確認した。

 上田清司知事は同日の定例会見で「事件の概要を早く知り、関係機関とともに必要な対策を取っていかなければならない」と述べた。私立学校を所管する県学事課によると、県内の私立小学校は5校。同課は「事件についての情報収集をしている。どのように注意喚起をするか、現在検討中」としている。

■登下校で指導を/さいたま市教委

 さいたま市教育委員会は28日午後、各市立学校に「児童生徒らの通学時の安全確保について」とする通達を、下校までに間に合うよう細田真由美教育長名で送信した。

 市教委健康教育課によると、これまでに各市立学校では、警察などと協力し、「登校時防犯プラン」を作成。登下校時の危険箇所の把握など安全対策を行ってきた。

 今回の通知では児童、生徒に対し、改めて登下校時の安全体制の確認を指導するよう指示したほか、職員間でも安全への備えを徹底するよう呼び掛けた。

 さらに、登下校時の見守りを行う防犯ボランティアへ協力を要請する文書も添付した。同課は「国や県と歩調を合わせ、児童生徒の安全確保に努める」としている。

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