遺書で「大ウソつき」と書かれた川口市教委…茂呂教育長が再任 市長提案、市議会で可決 批判的な質問続出
2019/09/30/00:00
川口市議会は9月定例議会最終日の27日、市長提案の茂呂修平教育長の再任議案に賛成多数で同意することを可決した。元市立中学男子生徒が今月8日に「市教委は大ウソつき」との遺書を残して自殺したことや、別の中学の元男子生徒がいじめの対応が不適切だったとして市を提訴するなどの事態になっている。これを背景に、議案に賛成しながらも市教委に批判的な質問が続出した。
川口新風会(立憲民主)が再任に反対の意見を表明。同会派の木岡崇氏が市長と教育長に対する質問を、同会派の碇康雄氏が反対討論をそれぞれ通告した。
自民は議案提出者である市長に質問を絞るよう主張し、反対討論は市議会の「先例集」に「人事議案は討論を行わないのが例である」とあるとして反対。碇氏の反対討論はしないことになり、木岡氏の質問は市長に絞って行われた。
本会議の質疑では、自民の宇田川好秀氏が「再任の理由」を質問。共産の金子幸弘氏は「市教委の信用が失われ、改革が必要だ」とただした。
木岡氏は自殺した元生徒が3度の自殺未遂を起こしていながらいじめ防止対策推進法に基づく重大事態として対応しなかったことなどについて「行政の怠慢だ」などと指摘した。無所属の最上祐次氏は「(学校や市教委への)市民の信頼が揺らいでいる」として「再任の必要性」をただした。
奥ノ木信夫市長は「3年間の任期中、学力、体力ともに向上し、着実に成果を上げた」「いじめ問題についても教育長は自ら直接対応する努力をしている。引き続き強い指導力を持っていただく」などと答弁した。