埼玉新聞

 

公立高校入試、出題範囲から3割除外 臨時休校で埼玉県教育局「範囲縮小が適切」【#コロナとどう暮らす】

  • 県公立高校入試配慮の内容

 県教育局は10日、新型コロナウイルス感染対策で大半の公立中学校が約3カ月間臨時休校したことを受け、2021年度県公立高校入試の学力検査では中学3年で学習する内容の3割程度を出題範囲から除外すると発表した。一方で、思考力や表現力などをみる出題や記述による解答を求める方針などは例年通りとした。学力検査は21年2月26日、合格発表は3月8日。

 県公立高入試の学力検査が実施されるのは国語、社会、数学、理科、英語の5教科で、英語はリスニングテストを含む。同局は削減範囲について「教科書によって掲載箇所にばらつきがあるが、比較的後半で扱う内容などを、単元の扱いやページ数を含めて総合的に判断して決めた」と説明。数学の三平方の定理や英語の関係代名詞の一部など頻出分野も含まれる。浦和や浦和一女など21校に導入されている、一般の入試より応用的な問題が出題される「学校選択問題」(数学、英語)でも同様の配慮を行う。

 同局は「臨時休校などで失われた授業時間は約3割。各校で授業時間を捻出しているが、生徒が安心して受験に臨めるよう範囲の縮小が適切と判断した」と説明。同日付で市町村教育委員会に通知し、保護者や生徒に周知するとした。

 公立高入試では出題範囲の縮小のほか、部活動の大会が中止になったことで不利益が生じないよう、調査書で中学1、2年生の活動の成果や3年間部活に所属したことを評価するなどの配慮が行われる。

ツイート シェア シェア