埼玉新聞

 

埼玉武蔵HB、田沢純一が入団会見 晴れやかに意気込み、熱心なオファー「このチームでプレーしたい」

  • 入団会見で活躍を誓った田沢純一投手(中央)、埼玉武蔵の山崎寿樹代表取締役CEO(左)と今井英雄代表=13日午前、熊谷市のおふろカフェビバーク

 プロ野球独立リーグ、ルートインBCリーグの埼玉武蔵ヒートベアーズは13日、米大リーグのレッドソックスなどでプレーした田沢純一投手の入団会見を熊谷市内で行った。田沢は大リーグで救援投手として活躍。2013年には71試合に登板し、レッドソックスのワールドシリーズ制覇に貢献した。米国で輝かしい実績を挙げた右腕が、熊谷に拠点を置く埼玉武蔵を新天地に選んだ。

 田沢は昨年8月、レッズとマイナー契約を結んだが、今年3月に自由契約となっていた。その後、帰国して国内で練習しながら米球界で引き続きプレーすることを模索。だが、新型コロナウイルスの世界的感染拡大のため、契約を目指していたマイナーリーグの今季中止が決まり、新たな所属先を探していた。

 社会人野球から直接大リーグ入りしたことで田沢は一定期間、日本のプロ野球球団と契約することを禁じられている。ただ、国内の独立リーグでプレーすることは可能で、34歳のベテランは「コロナでマイナーリーグがなかったりする中で、オファーをもらい率直にうれしかった」と喜びを語った。背番号はレッドソックスでも付けた「36」。

 入団の決め手になったのは、角晃多GM兼監督の熱心な誘いだったという。田沢は「毎回コメント付きのオファーをいただいていたので、このチームでプレーしたいという気持ちになった」と説明。会見に同席した角監督は、「まだまだプレーできる選手。力強いストレートが魅力。さらに実績と経験も加わり、投手として必要な要素を持っている」と期待した。

 将来的に大リーグ復帰を目指すのか、また日本のプロ野球でプレーする可能性について問われると、田沢は「まずはチームで頑張ることが大事だと思う。少しでも勝利に貢献したい」と埼玉武蔵での全力プレーを約束。チームが本拠地を置く熊谷については、「(出身地の)神奈川から初めて出るのが埼玉なので楽しみ」と、新生活を待ち焦がれている様子だった。

 チームへの合流は、約1週間後となる見通し。

■田沢一問一答

 田沢は晴れやかな表情で意気込みを語った。

―オファーをもらった時の感想は。

 「率直にうれしかった。コロナ(感染拡大)の中でマイナーリーグがなかったりと、居られる場所がない中でのオファーはうれしかった」

―所属先として埼玉武蔵を選んだ理由。

 「僕の残りの野球人生が短いことは自分で分かっている。まずは、いろんな所で投げてみて、評価されたいという考えを持っていた。最後は熱心に毎回コメント付きでオファーをくれた角監督の存在が大きかった」

―どんなプレーを日本のファンに見せたい。

 「環境が変わるので、まずはそれに対応していき、少しでもチームに貢献できれば」

―今後、日本のプロ野球でのプレーはあるか。

 「いろいろな部分があり難しいとは思うが、今シーズンが終わってから考えることだと思う。まずは、このチームで頑張ることが大事」

―コンディションは。

 「体自体はできてきているが、アメリカと違ってマウンド、ボールの違いもあると思うので、対応はこれから」

―熊谷の印象。

 「正直あまり知らない。神奈川で生まれて、高校も社会人も神奈川。初めて出るのが埼玉なので楽しみにしている」

■田沢純一(たざわ・じゅんいち)

 横浜商大高(神奈川)から新日本石油ENEOS(現ENEOS)へ進み、2008年にドラフト会議での指名を拒否して米大リーグのレッドソックスと契約。大リーグでは13年にワールドシリーズ制覇に貢献した。大リーグ通算388試合に登板し、21勝26敗4セーブ、防御率4・12。右投げ右打ち。神奈川県出身。34歳。

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