埼玉新聞

 

列車が倒木と衝突を想定、JR東が15年ぶり大規模訓練 実際の電車を使用、乗客を安全な場所に誘導

  • はしごを使って列車から乗客を降ろす訓練などが行われた=16日午後、所沢市東所沢

 利用客に安全で安心して列車を利用してもらうためにJR東日本八王子支社は16日、東所沢電車区(埼玉県所沢市東所沢)で輸送障害対応訓練を行った。同電車区で大規模な訓練が行われるのは2005年以来15年ぶり。

 訓練には、同支社の社員約150人が参加。新型コロナウイルス感染防止のため例年より人数を約半分に減らし、経験の少ない若手社員を中心に行われた。

 実際の電車を使用し、武蔵野線新秋津駅から東所沢駅間を走行中の列車が倒木と衝突し、パンタグラフ(集電装置)が1カ所破損、自力運転は可能だが、処置が必要なため運転再開まで時間がかかるとの想定で行われた。

 列車が倒木と衝突し、緊急停止した後乗務員が周囲の安全を確認。最寄りの駅から駆け付けた社員とともに列車に備え付けられている救助用のはしごを使い、車外の安全な場所まで乗客を誘導する訓練や列車の衝突などの二次災害を防ぐ列車防護訓練、架線に付着したビニール袋の撤去訓練などが行われた。

 また昨年3月から導入された車椅子を載せたままレールの上を移動し、線路外まで誘導できる「車いす救済用搬送台車」も展示された。

 同支社安全企画室の土屋博紀室長は「運転再開まで長時間かかる際には安全を確保したうえで、お客さまに最寄り駅や踏切から外に出ていただく必要がある。訓練を通じて想定される事故に対して、迅速かつ冷静沈着に行動できるようにしてほしい」と話していた。

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