暴れ出した男に警備犬が飛び掛かり一瞬で解決 東川口駅でテロ訓練 県警本部が警備犬の直接飼育始める
2019/06/07/00:00
川口市戸塚のJR東川口駅で6日、同駅と武南署の合同で2020年東京五輪・パラリンピックを見据えたテロ対処訓練が行われた。暴れ出した男に県警の警備犬「ミュー」(メス、3歳)が約5メートルを矢のように走って飛び掛かり、一瞬で解決した。
ミューはシェパード種で、今年4月から正式に動き始めた、県警本部が直接飼育する警備犬。テロ対策を担う警備部危機管理課に所属する。「直轄を作ったのは五輪警備のためです。爆発物の発見や災害時の人命救助という仕事もあります」と同課の堀井真一課長補佐(53)。
同駅は1駅北の埼玉スタジアムへ向かう埼玉高速鉄道(SR)との乗換駅。添田昌二駅長(56)によると平日の乗降客は約7万人。同スタジアムでサッカーの試合があるとプラス3万人になる。来年の五輪では同スタジアムでサッカーの試合が行われるため、テロ対処訓練は必須だ。
この日の訓練は、暴れ出した男に駅員2人が乗降客を守るためにさすまたを構えてけん制。ミューが男に飛び掛かり、駅前交番から駆け付けた警察官2人が取り押さえた。
訓練に参加した同駅営業係の中山洋志さん(23)は「凶器を持った人に立ち向かう経験はないので緊張しました」。武南署の奥富真吾副署長(55)は「繰り返し訓練することが有効ですね」と話した。
直轄警察犬を運用する警視庁などとは違い、県警の場合は警察犬は民間委嘱の犬たちで、県警本部鑑識課が所管し、犯人の足跡を追うなど犯罪捜査が主な仕事。これとは別に、県警は今年4月から、県南部の警察犬センターで直轄の警備犬や警察犬の飼育・訓練を始めている。