埼玉新聞

 

死亡事故ゼロ、埼玉・小鹿野署管内で10年達成 ドライブに適した道路多く警戒「さらなる安全意識を」

  • 交通死亡事故ゼロ継続が10年を達成し、さらなる継続を目指して街頭活動に向かう警察官=9日午前10時半ごろ、小鹿野署

 小鹿野町と秩父市吉田地域を管轄する小鹿野署管内の交通死亡事故ゼロ継続記録が9日で10年を達成した。2011年10月8日に秩父市吉田石間の山林で起きたトラックとバイクによる死亡事故以来、死者を伴う交通死亡事故が発生していない。さらなる記録継続を目指して、小鹿野署はこの日、交通事故抑止の街頭活動を実施。参加者らは「10年は通過点」「さらなる安全意識を」と節目の日に決意を新たにした。

 7日時点の県内の交通死亡事故ゼロ日数継続記録は、小鹿野署管内が3652日、続いて本庄署管内が910日、杉戸署管内が624日となっている。小鹿野署管内は9日午前0時にゼロ日数10年、3654日目(うるう年を入れて)に到達した。

 小鹿野署管内は主に山間部のため人口の多い県南部などと比べると交通量は少ないものの、11年6~7月に国道299号で2件、10月に秩父市内で1件の交通死亡事故が発生している。年間計3件の死亡事故発生を重く受け止め、同署は、地元の関係自治体など計12団体と連携しながら、事故防止キャンペーンや交通安全教室など、さまざまな啓発活動を展開してきた。

 同署によると、管内は国道299号など、ドライブやツーリングに適した山岳道路が多く、土日は多い時で1日400~500台のバイクが走行する。18年からは二輪運転手を対象にした、「ウイークエンド警戒」を展開。交通事故が起こりやすい交差点付近での駐留監視や、安全運転を呼び掛ける広報活動を毎週末行い、県内外から訪れる運転手に安全運転の意識付けを行っている。

 同署で行われた、街頭活動の出発式で田中久署長は「警察や交通関係団体の多くの人たちの絶え間ない交通事故防止活動の成果。10年は通過点であり、今後もゼロ日数の継続と交通安全の機運を高める、積極的な活動をお願いしたい」とあいさつした。

 啓発キャンペーンは、道の駅両神温泉薬師の湯(小鹿野町両神薄)と、龍勢茶屋農林産物直売所(秩父市吉田久長)で実施。白バイ4台、警察車両2台での巡回や、啓発キャンペーン、防災無線での呼び掛けなどを通じて、町民らにさらなる交通ルール・マナー順守を呼び掛けた。

 反射材付きエコバッグなどの啓発品を受け取った町内の黒沢喜一さん(73)は「バイクなどでツーリングを楽しむ若者が、土日に特に多い。そんな環境の中で10年間継続できたのは、毎日警戒に当たっている警察官たちのおかげ。とても素晴らしい記録」と話していた。

 同署の小山知道交通課長は「交通安全はみんなの願い。10年達成を機に、安全意識をさらに一段階高めて、実践につなげてほしい」と呼び掛けている。

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