埼玉新聞

 

人気声優・竹達彩奈さんらのトークも 埼玉県警がイベント、越谷のイオンレイクタウンで啓発アニメの試写会

  • 啓発アニメについてトークショーで語る竹達彩奈さん(右から3人目)、アイラヴミー(右から1、2人目)ら=27日午後、イオンレイクタウン

 犯罪被害者支援活動への理解を深めてもらおうと、県警は27日、越谷市のイオンレイクタウンで「埼玉県犯罪被害者支援県民のつどい」を開催した。犯罪被害者支援活動の啓発アニメの試写会も行われ、携わった声優や歌手らがトークショーで思いを語った。

 イベントは2009年から行われ、今年で12回目。今回から犯罪被害者支援活動を身近に感じてもらえるよう、内容を一新した。

 アニメは、女子プロサッカー選手を目指す女子高校生が事件で父親を亡くし、苦悩を抱えながらも友人らの支援で立ち直る姿を描いた約15分の物語。イベントに合わせて県警のユーチューブチャンネルでも公開が始まった。

 川越市の尚美学園大学芸術情報学部情報表現学科の学生約20人が制作。主人公を人気声優の竹達彩奈さんが演じ、主題歌「話をしようよ」は音楽グループのアイラヴミーが担当した。アニメ、主題歌ともに犯罪被害者のカウンセリングを行う県警職員から実際に話を聞いて作られたという。

 イベントのトークショーで竹達さんは「もし私が犯罪被害者と同じ立場になったらと思うと、計り知れない悲しみ。周りの人に感謝したくなる作品」。アイラヴミーのさとうみほのさんは「心が独りぼっちにならないような楽曲を作りたいと思って作った」と語った。

 アニメ制作をした尚美学園大学芸術情報情報表現学科の小川彩佳さんは「夏休みぐらいから全力で作ってきたので皆さんに見てもらえたらうれしい」と語った。

 イベントの観覧に来ていた会社員女性(35)は「イベントで犯罪被害者支援というものがあると初めて知って勉強になった」と感想を話していた。

 県警警務課犯罪支援対策室によると、4月1日時点で、さいたま市や川口市、嵐山町など県内15自治体で犯罪被害者支援に特化した条例が制定されている。条例の制定により犯罪被害者は支援などが受けやすくなるという。

 同室長の丸山精一郎警視は「今回のイベントをきっかけに、多くの方々に犯罪被害者やその家族が抱える問題を知っていただき、社会全体で支える機運が醸成されることを期待している」と話した。

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