埼玉新聞

 

大宮のポテンシャル、まだまだある 大宮駅西口にホテル開業の川村建設「大宮に再び活気を取り戻したい」

  • 「県内経済のけん引役として大宮に活気を戻したい」と話す川村社長

 建設業のみならず、不動産やホテル、介護福祉事業などを手がけるさいたま市の川村建設。同社が大宮駅西口に2年前から整備を進めてきたホテル「エクセルイン大宮」がことし1月、グランドオープンした。コロナ禍で完成がずれ込んだものの、「県内商業の中心地大宮に再び活気を取り戻したい」と前向きな川村郁夫社長に話を聞いた。

 ―大宮駅西口徒歩2分の好立地に待望のホテルが完成した。

 「大宮の地で創業し71年。地元に愛される『ここにしかない“ちょっといい”ホテル』をコンセプトに開業した。場所柄、ビジネスマンの利用が多くなるが、何度泊まっても、ぜいたくでちょっとした変化を感じてもらえるようアンティークの家具や絵画など190室全てに個性を出した。全国チェーンにはない最高のおもてなしを提供したい」

―ホテル事業や介護福祉事業に力を注ぐ理由は。

 「曽祖父母の時代から家業として栃木県(旧佐野街道沿い)で旅籠(はたご)屋を営んでいた。火災で一時途絶えたが、いつか復活させたいと考えていた。直営ホテルとしては、1999年に宮城県大崎市のエクセルイン古川を皮切りに渋川(群馬)、小山(栃木)を開業。大宮は県内初進出となる。介護福祉分野では長年積み上げてきた建築技術とホテル事業で培った歓待の精神を掛け合わせることで利用者の方に安心安全で暮らしやすい施設としたい」

―構造上の特徴は。

 「当ホテルでは天然ゴムと別置ダンパーを組み合わせたRSL免震システムを採用。地震と構造体を絶縁することで激しい揺れを穏やかで緩やかな揺れに低減するものだ。古川の建設時に全国のホテルでいち早く建築確認を取り、東日本大震災でも部屋の備品が倒れたり落ちたりすることもなかった。大宮駅は首都圏有数の乗降客数なので、災害時の1次避難所や帰宅困難者の受け入れ先としても役立ちたい」

―社長自身はさいたま商工会議所の街づくり・観光委員会の委員長も務めている。地元への思いは。

 「ある調査で大宮が関東の住みたい街ランキングで3位となり、まだまだポテンシャルのあることが証明された。だがコロナ禍で商売をやめざるを得なかった仲間が多い。生まれ育った大宮に活気を取り戻すためにも、ここで踏ん張らなければ。点と点(個々)の頑張りでは限界がある。互いの強みを結び付けて、点から線、線から面(地域)へと全体で盛り上げていきたい」

―今後の抱負を。

 「ロビーでピアノなどのミニ演奏会を開いたり、地域住民のサロン(情報交換の場)的な存在になれば。対外的には東日本の玄関口という地の利を生かし、あらゆる方面への交通利便性をアピールしたい。全室のテレビモニターで大宮氷川神社や盆栽美術館など人気観光スポットの映像を流し、宿泊者に積極的に発信していく」

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