埼玉新聞

 

絶対渡さない!地域一丸で被害阻止 杉戸署が「特殊詐欺被害ゼロ約10カ月」 埼玉県下で今年最長記録

  • 杉戸署=杉戸町堤根

 杉戸署管内(杉戸町、宮代町)で、特殊詐欺被害の発生が2021年12月9日から22年8月30日までの約10カ月間ゼロが続いた。県警本部生活安全課などによると、県下では今年最長の記録となり、4月末から同署単独で発生ゼロが続いていたという。過去5年間では小鹿野署管内で20年9月19日から21年7月9日まで発生ゼロの事例があった。

 杉戸署では、署員らが月10回ほど金融機関やコンビニエンスストアを巡回。特殊詐欺とみられる電話が多い日は、巡回や関係機関への連絡を強化。町の防災無線や行政メールなどを活用し、地域ぐるみで防犯に取り組んでいる。軽部智広生活安全課長は「関係機関の協力で水際防止が増えている」と語る。

 金融機関側も対策に力を注いでいる。水際防止で同署から表彰された武蔵野銀行杉戸高野台支店では、毎朝朝礼後に情報を共有。振り込め詐欺チェックシートの活用や利用者の言動確認をしながら顧客対応をしている。川端由記支店長は「杉戸署とは連絡を取り合い連携はうまくいっている」と話す。

 奥冨真吾署長は、詐欺被害発生抑制について「地域の協力がとても大きい」と強調した。

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