埼玉新聞

 

山田うどん無料サービス、運転免許返納の高齢者に アルコール感知器220台導入、飲酒運転の撲滅も狙う

  • 店舗で掲示するポスターを手にする山田社長(中央)ら=所沢市上安松の山田うどん本社

 運転免許を自主的に返納した高齢者への生活支援を目的として、県警が行っている「シルバー・サポーター制度」に、今月から「山田うどん」(本社・所沢市)が協賛。同社の山田裕朗社長と所沢署長らが意見交換会を行った。同制度は、原則65歳以上の高齢者を対象に、運転免許を返納した際などに発行される「運転経歴証明書」を提示することで、協賛店でさまざまなサービスを受けることができる制度。同社では県内の75店舗で、フライドポテトを無料サービスする予定。

 同社本社で行われた意見交換会では、県内の事故状況や県警の取り組みについて、管内で起きた死亡事故などを例に同署の宮下敏郎署長が説明、サポーター制度への同社の協賛に感謝した。山田社長ら同社幹部は「(店舗は)ロードサイドにほぼ100%出店し、駐車場が広いことが強みであるため、車での来客が多い」と話し、酒の注文が入ったら必ず運転の有無を確認するなど、同社のこれまでの取り組みを紹介。同社では車通勤の社員も多いことから、220台のアルコール感知器も導入し、継続して飲酒運転や交通事故防止の社内意識向上に努めていくという。

 同社担当者によると「(協賛依頼は)二つ返事で承諾した」といい「地域の皆さんあっての店。使命感を持って認知に努めたい」とした。今後、同社のホームページや公式アプリなどでも、制度の周知を図っていくという。

 同署によれば、管内の人身事故発生件数は9月26日現在、539件(前年比23件増)、死者数は3件(同1件増)となっており、飲酒運転や高齢者が関係する事故も少なくないという。

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