<私の名著>浦和学院・森士氏寄稿「活字を追わない日はない 読書は人生のヒント」私のおすすめBEST3
私のおすすめBEST3
1位:『真人生の探求』 中村天風 著
2位:『7つの習慣』 スティーブン・R・コヴィー 著
3位:『生き方』 稲盛和夫 著
学生の頃から小説などに触れてきましたが、監督になりさらに本を読むようになりました。特に心理・経営学の本は人をまとめ、チームを管理していくことに相通じる部分が多く、そういったジャンルをよく手に取ってきました。
『真人生の探求』は指導者としての原点になった一冊です。監督就任から数年後に、知人から勧められ「心が体を動かす」という言葉が印象に残りました。その言葉に具体性を持たせ、チームづくりの基盤をつくったのが『7つの習慣』です。この本に出会い、成功するための考え方や対話を重んじて信頼関係を築く方法を、言語化して選手に伝えられるようになりました。
そして3冊目は最近になって手にした『生き方』です。「仕事の結果=考え方×熱意×能力」の中で熱意と能力は0~100だけど、考え方は-100~+100まで変えられる、どんなに熱意と能力があってもマイナスをかけてしまったら台無しだという内容から、選手らに「考え方」の重要性を強く訴えかけてきました。
思い返すと、多くの本に影響を受けました。チームを預かることは、野球だけでなくそれぞれの道を預かることでもあり、そのためにも「人として」を学ばなければいけなかったのです。勝利だけではない価値を求めた結果、野球に携わる人が好きなのだと気づきました。
昨夏、監督を辞任してからは、「1日1時間のウォーキングと読書=自己投資の時間」を目標にしています。人が成長するには人と話すことと、本を読むことの2つが主な方法ではないでしょうか。賢者、成功者の本の中に人生のヒントが隠されていています。そこで見聞きしたことを、いかに素直に吸収できるか。その想いから、私が活字を追わない日はないのです。
子どもたちにも強く読書を勧めています。色々なジャンルを「乱読」し、読書を「習慣化」し、「想像力」を高め興味の幅を広げていくこと。そうして、自分の道を切り開いていって欲しいのです。
■森士氏プロフィル
【もり おさむ】昭和39年生まれ。埼玉県浦和(現さいたま)市出身。上尾高校出。1991年から30年間、浦和学院高野球部の監督を務め、2013年春の選抜大会優勝を含め、春夏計22度、チームを甲子園に導いた。浦和学院副校長。NPO法人ファイアーレッズメディカルスポーツクラブ理事長