埼玉新聞

 

激怒の両親、子どもの安否は…児童虐待想定し、警察、児相など合同で対応訓練 「最後のとりで」連携強固に

  • 訓練で、臨検・捜索のため保護対象の子どもがいる住宅を訪ねる児童相談所職員ら=25日午後、さいたま市北区の県警察学校

 児童虐待事案への対応能力の向上と関係機関の連携強化を図ろうと、県警少年課などは25日、さいたま市北区の県警察学校で訓練を行った。同課職員やさいたま市南部、北部の各児童相談所、県子ども安全課職員などから30人以上が参加し、合同で児童の安全確保への手順や保護者への対応を確認した。

 訓練では「昼夜問わず子どもの泣き叫ぶ声が聞こえる」という近隣住民からの情報提供があった家庭などを想定。家庭訪問などに応じなかったことから、児童虐待防止法に基づき、立ち入り調査や裁判所の許可状を得て強制的に住宅に入る臨検捜索を実施した。

 児童相談所職員と警察官が複数人で住宅に赴いて入室しようとすると、子どもの両親が激怒し抵抗。それでも冷静に説得し子どもの安否を確認し保護することに成功した。

 県警少年課によると、2021年中に県警が110番を受けた事案から児童相談所に虐待やその疑いがあるとして児童相談所に通告した子どもの数は前年比461人減の9716人。

 同課の佐藤和則児童虐待対策室長は通告数について、過去最高となった昨年よりも減少したが、依然高水準だとして「県警と児童相談所の連携は不可欠」と説明。参加者らに対して「児童の安心安全を確保する最後のとりでだ」と呼びかけた。

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