埼玉新聞

 

会社で訓練、僕らを知って 音を伝える「聴導犬」 利用のために転職する人も 埼玉りそな銀本店で訓練

  • 埼玉りそな銀行本店内で訓練を行う聴導犬と日本聴導犬推進協会の水越氏=16日午後、さいたま市浦和区の埼玉りそな銀行本店

    埼玉りそな銀行本店内で訓練を行う聴導犬と日本聴導犬推進協会の水越氏=16日午後、さいたま市浦和区の埼玉りそな銀行本店

  • 埼玉りそな銀行本店内で訓練を行う聴導犬と日本聴導犬推進協会の水越氏=16日午後、さいたま市浦和区の埼玉りそな銀行本店

 地域課題の解決などの事業を行う埼玉りそな銀行の子会社「地域デザインラボさいたま(ラボたま)」は16日、聴覚障害者を補助する聴導犬の育成や周知への貢献を目的として、さいたま市浦和区の埼玉りそな銀行本店で訓練を実施した。参加した日本聴導犬推進協会の水越みゆき事務局長は「働く聴覚障害者は多いが、オフィスで訓練できる機会が少なく、大変貴重な訓練ができた」と話した。

 聴導犬の認知度は盲導犬などと比べて低く、10月現在の実働犬は全国で58頭、県内では4頭のみ。仕事場に聴導犬を連れていくことへの理解も進んでおらず、断念するケースや利用のために転職をする人もいるという。

 訓練はオフィスに聴導犬を連れた就業者がいる想定で、本店内のオフィスとエレベーター、トイレなどで行われた。水越さんは「会社に特別な配慮が必要なのではなく、理解があれば仕事場で利用できる。当たり前に利用できるように理解を広めたい」と話す。

 訓練を企画したラボたまの水内裕美氏は「銀行を利用する場合でも、ATMで警告音が聞こえずお金やカードなどを取り忘れてしまう可能性も考えられる。今後もフラットな社会の実現に取り組む」と意気込んだ。

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