埼玉新聞

 

<高校ラグビー>正智深谷、深谷に26―19 逆転勝ちで2年ぶり優勝/国体予選

  • 深谷―正智深谷 後半25分、勝ち越しトライを決めた正智深谷のWTB武藤(中央)が仲間に祝福される

 (最終日、9日・熊谷ラグビー場)

 決勝などを行い、正智深谷が決勝で深谷に26―19で逆転勝ちし、2年ぶりの優勝を飾った。

 正智深谷は12―19の後半20分にFB対馬がトライを決め、SO大竹のゴールで同点。同25分には、自陣から抜け出したWTB武藤が約60メートルを走り切り、勝ち越しトライを奪った。

 上位4校が、今秋の全国高校埼玉大会のBシード(第5~8)を獲得した。

■粘り強さで勝機逃さず/正智深谷

 トライされてもすぐさま奪い返して食らい付いた正智深谷が、昨秋の全国高校埼玉大会王者の深谷に逆転勝ち。松本監督は「よく踏ん張った」と選手たちをたたえた。

 前半25分に先制されたが、慌てずに「激しく行くぞ」と全員で声を掛け合って集中力を高めると、同27分に敵陣深くで奪ったボールをつないでWTB下村がトライ。後半6分に失ったトライも同9分にフッカー石井が取り返し、12―19とされた5分後の同20分には、FB対馬のトライとSO大竹のゴールで追い付いた。

 傾いた流れを逃さずにつかんだ。同25分に自陣で相手の反則からマイボールにすると、CTB田中、CTB中島、WTB武藤とつなぎ、武藤が「もらった瞬間に前が開いていた。うまく逃げ切れた」と約60メートルの独走で勝ち越しトライを決めた。

 最後は粘り強く守り切った。26―19のロスタイム、ゴール下まで迫った深谷の猛攻をインゴール内の密集でトライさせずにパイルアップでノーサイド。主将の田中は「うれしいの一言しかない。この経験が花園予選で優勝するための一歩になる」と、手応えを口にした。

■精彩さ欠き、攻守にミス/深谷

 深谷は攻守に精彩を欠いた。自陣深くでパスミスやハンドリングミスでボールを失ってはピンチを招いてトライされ、アタックでも決め切れずにカウンターを浴びた。山田監督は「やってはいけない場面でのミスが多かった」と、肩を落とした。

 前後半で計3トライを奪ったが、3度とも直後にミスからトライを献上した。ミスした後のリカバリーや時間帯も悪かった。主将のフランカー新井は「このままではダメだ。チームとして変わっていかなければいけない」と、奮起を誓った。

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