ギャーと悲鳴、怖くて外に出られぬ住民…夫婦と娘死亡 昔「かっこいい」と評された男が襲撃、人々びっくり
飯能市美杉台の住宅敷地内で、夫婦とその娘の3人の遺体が見つかった事件で、飯能署特別捜査班は25日夜、世帯主の男性に対する殺人未遂容疑で、近所に住む無職の男(40)=同市美杉台4丁目=を逮捕した。県警は26日、男性の死因が鈍器で殴られたことによる頸髄(けいずい)損傷と判明したことから容疑を殺人罪に切り替え、27日にさいたま地検に送検する方針。女性2人の殺害にも関与しているとみて捜査する。
県警は、亡くなったのは現場住宅に住む米国籍で無職の男性(69)と無職の妻(68)、会社員の長女(32)=東京都渋谷区神宮前1丁目=と明らかにした。
■「スポーツマンの印象」
同日夜に殺人未遂容疑で男(40)が県警に逮捕されたことを受け、近隣住民は26日、「ほっとした」「びっくりした」と安堵(あんど)や戸惑いを交錯させた。殺害された妻は「車が傷を付けられて怖い」と話していたという。被害者方近くに住む男の逮捕に、住民は「以前はスポーツマンといった印象だった」と振り返った。
近くに住む60代女性は25日朝、「ギャー」という女性の悲鳴を聞いた。「怖くて外に出ることができなかった」。殺害された妻(68)は「穏やかで良い方。自治会の清掃デーで一緒に掃除をしたりした」といい、「夫も日本語であいさつしていた。穏やかな人だった」と述懐した。一方で妻は「『車を傷つけられて怖いです』と11月ごろに言っていた」という。
美杉台地区の4丁目自治会は昨年、「車両傷つけられ事件発生」とした文面を回覧し、情報を共有して犯罪を防ぐよう求めていた。
近くの別の60代女性は、娘が男と同じ小学校に通っていた。「以前はスポーツマンでかっこいいという印象だった」と振り返る。近所の女性(79)は幼少期の男について「小学生のころ庭で犬と遊んでいるのを見かけた」と話し、「活発な男の子という印象」と振り返る。ただ「中学高校の姿は思い浮かばない」とした。
近くに住む30代女性は「(25日の)事件時に口論していたというので、面識のある人なのかと思った。(男が)逮捕されてほっとした」と話し、夫と妻は「仲が良さそうな夫婦だった」とした。