飯能市美杉台の住宅敷地内で夫婦と長女の3人が殺害され、近所の無職の男（40）＝同市美杉台4丁目＝が殺人容疑で送検された事件で、29日午後には現場周辺の規制線の範囲が一部緩和された。男の自宅は2階建てで、庭には生け垣があり、黒色の乗用車1台が止まっていた。被害男性宅からは直線で約50メートルの距離にある。

　男の自宅と同じ並びに住む80代男性が男と最後に話したのは4、5カ月前。その際も特に変わった様子はなかったという。3年前には男宅からの依頼を受けて、庭の剪定（せんてい）を請け負ったこともあった。「無口だけど、悪いような人には見えなかった」とした。

　また、男の小、中学生時代について、現場近くに住む同級生だった男性は「（男は）小学生の頃、近所の子どもたちを集めてサッカーをして遊んでいた」と活発な印象を語った。卒業後は全寮制の中学に進学したがその後、男性が通う公立中に転校してきたという。「その時には無気力で、誰とも関わりたくないような雰囲気だった」と振り返った。