<川口いじめ>ずさん放置…裁判で市が開示すると明かした「いじめ記録」、約1カ月経つも元生徒に届かず
2019/06/12/00:00
川口市の市立中学校の元男子生徒(16)がいじめを受けたとしてさいたま地裁で市と争っている裁判で、市側が5月に一転して開示すると明らかにしたいじめに関する565ページの書面が、その後約1カ月にわたって元生徒側に届いていないことが11日分かった。
元生徒側は部活のサッカー部内のいじめやコーチの体罰などで不登校となり、自傷行為も起こしたとして、市に損害賠償を求めているほか、いじめの記録の情報開示と、一部開示された書面の訂正についても提訴した。
元生徒側によると、市側の弁護士から5月14日に「13日付で開示した書面を郵送した」と連絡があった。その後、届かないため今月11日に市教委に問い合わせたところ、市教委指導課は「5月13日に開示書面を郵送したが27日に戻ってきた。このため、書面は情報開示を担当する市行政管理課に渡し、そのことを知らせる手紙を送った」と説明したという。
しかし、埼玉新聞の取材に行政管理課は開示書面を預かったのは今月10日とし、市教委指導課がそのことを知らせる手紙を元生徒宛に出したのは同11日午前だったことをそれぞれ認めた。
元生徒の母親は「裁判官に対しても違法だったことを認めた上で開示すると言ったのに、その後全く連絡がなく放置されている。市教委のやり方はずさんで不誠実ではないか」と話している。