埼玉23年度に開校!特別支援学校と分校3校 知的障害ある子の特別支援学校、過密続く…28年にピークか
県教育局は2023年度、新たに県立岩槻はるかぜ特別支援学校(さいたま市岩槻区)と県立高校内に分校3校を開校する。岩槻はるかぜに200人程度(約30学級)、各分校に1学年16人を受け入れる。県内では南東部を中心に、知的障害のある児童生徒が通う特別支援学校の過密状況が続いている。今回の設置で県立特別支援学校本校は計38校、分校は計10校になる。
同局特別支援教育課によると、岩槻はるかぜは、さいたま新都心(さいたま市中央区)の県立小児医療センターに移転、併設された旧県立岩槻特別支援学校の跡地を活用する。小中、高等部を設置し、通学区域はさいたま市岩槻区や見沼区の一部、蓮田市。タブレットで情報活用を身に付け、卒業後の自立と社会参加を見据えた一貫した教育支援を実施する。地元私立大学の人間総合科学大学(さいたま市岩槻区)などとの交流事業連携も計画している。校内は階段や廊下の色の塗り分けやカーブミラー、ピクトグラムで視覚的に分かりやすい教育環境を整備した。
分校は鳩ケ谷、狭山清陵、白岡の各県立高校内に高等部のみ設置する。自力通学が可能な知的障害のある生徒であれば県全域が対象で、受け入れ規模は各分校3学年48人。学校行事や体育、音楽の授業における高校との交流や共同学習を行う。食品加工や農園芸、メンテナンスやオフィス作業などの職業教育を、地元企業や公共施設、自治体と連携して実施。進路に具体的なイメージを持ってもらうことを目指す。
県内では、知的障害のある児童生徒が通う県立特別支援学校への入学者数が増加しており、22年度は約5200人の受け入れ規模に6646人が通っている。22年度からの「県特別支援教育推進計画」の児童生徒の推計によると、26年には7千人を超え、28年にピークを迎えるとされる。高田直芳教育長は20日の定例会見で、「引き続き知的障害特別支援学校の過密解消に向けた取り組みを進め、教育環境の改善に全力で取り組む」と述べた。
同局では18年度に「県特別支援教育環境整備計画」を策定。特に過密状況が著しい県南部、県東部地域の緩和のため、21年度に県立戸田翔陽高校敷地内に戸田かけはし高等特別支援学校、県立松伏高校に分校を開校した。今後は23年度中に川越、三郷特別支援学校に校舎を計2棟増築。24年度に県立大宮商業高校内などの分校3校を開校し、約6千人の受け入れ態勢を整える。