時速97・6キロ…飯能で危険運転を楽しむ ガードレールに衝突、10代の男女死傷 元少年に懲役4年
2019/06/14/00:00
飯能市で2016年、制限速度を超える速度で車を運転して事故を起こし、同乗していた10代の男女が死傷した事故で、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)の罪に問われた元少年(20)=当時(18)=の裁判員裁判の判決公判が13日、さいたま地裁で開かれ、河村俊哉裁判長は懲役4年(求刑・懲役5年)を言い渡した。弁護側が主張していた長期捜査の違法性は認めなかった。
判決理由で河村裁判長は「非常に危険な運転行為。自分が楽しむために高速度運転に及んでおり、酌量の余地もない」と指摘。約20カ月に及んだ捜査については「より早期に進めることもできた」としながらも、多数の関係者への事情聴取の必要性などを挙げ、「職務怠慢による違法な手続き遅延があったとは認められない」とした。
弁護側は長期捜査の結果、被告が未成年のうちに裁判を受けることができず、不定期刑などの少年法の適用を受ける機会を失ったとして、捜査の違法性を主張していた。
判決言い渡し後、河村裁判長は被告に「誠実に遺族や被害者に向き合い、事件の重さを知ってください」と話した。
判決によると、被告は16年10月18日午前1時半ごろ、飯能市内の路上で、時速約97・6キロの高速度で車を運転し、カーブで縁石に乗り上げたまま走行後、ガードレールに衝突。助手席に乗っていた岩上深久さん=当時(17)=を死亡させたほか同乗していた男性=当時(17)=にけがを負わせるなどした。