<ジモトピア>街を彩るユニークさ 有名キャラのようなオブジェも 散策のおともに「駅前大福」はいかが?
昨年開業110周年を迎えたJR与野駅。同駅構内や周辺には数々のオブジェやモニュメントがある。さらにユニークなオブジェが点在するさいたま新都心駅周辺。両駅の間にも楽しいオブジェやアート作品があり、その数は大小数十にも及びそうだ。
与野駅構内にある大ケヤキの年輪オブジェ。駅東口近くに立っていた推定樹齢500年の足跡がひと目で分かる。今はDNAを受け継いだ若木が西口駅前広場で育っている。広場には彫刻家建畠覚造の「時の柱」が立つ。昔の玩具“だるまおとし”に似たメタリックなオブジェは、2階建ての駅舎とほぼ同じ高さだ。
駅前の和菓子店「梅月堂」で名物の「駅前大福」(税込み200円)を購入。甘さ控えめな大福を頬張りながら、駅を背に「時の柱」前の通りから左に目を向けると、巨大なタマネギのようなモニュメントが見える。ゲームに出てくるキャラクターのような、こくみん共済coop(全労済)埼玉推進本部の「夢たま」。2007年1月に“埼玉独自のモニュメント”として設置された。「タマネギの皮が何層も重なっているのを人の層に見立て“人と人との広がりと助け合いの心”を表現している」という。
広場に戻り、佐藤忠良のブロンズ像「ブラウス」を横目に線路沿いを大宮方面に向かう。さいたま新都心エリアに入ると、近未来的で異国情緒もある日本郵政ビルが見えてくる。郵便局が入る建物には、走る電車が見える広場やユニークな形をしたアート作品の数々。道行く人たちがスマートフォンを向け、写真を撮る。
国の地方機関が入る合同庁舎に続く官庁街には、地面や壁、植木の陰など、そこかしこにたくさんのパブリックアートが点在する。国交省関東地方整備局の担当者は「“気・咲く・街へ”をキーワードに気持ちよく過ごせる、にぎわいのある活気に満ちた街になることを目指した」と話す。
庁舎に面する浦和税務署はガラスのピラミッドのような外観で、まるで宇宙基地。石やブロンズで作られた大小の作品を探し出すと1日がかりとなりそう。同所周辺は、かつての大宮操車場跡地に開設。付近の道には当時の全体図のレイアウト図が埋め込まれているほか車輪のオブジェも飾られている。当時に思いをはせながら、さいたま新都心駅に向かう。