埼玉新聞

 

川越署巡査、県警が懲戒処分 病死男性の遺族に電話でうそ、現金だまし取ろうとした罪などで起訴

  • 埼玉県警察本部=さいたま市浦和区高砂

 県警は14日、病死した男性の遺族から現金をだまし取ろうとしたなどとして、詐欺未遂と地方公務員法違反罪で起訴された川越署刑事課強行犯係巡査の被告(25)を停職6カ月の懲戒処分にしたと発表した。被告は同日付で依願退職した。

 県警監察官室などによると、被告は3月27~31日、病死した川越市の無職男性=当時(67)=の姉に対し、「遺体が腐らないようにする処置で40~50万円かかる」などと電話でうそを言い、現金をだまし取ろうとした。さらに、担当した事件で知り合った40代男性に対し、2月3~4日、死因などの調査業務を通じて知り得た別の遺族や、この男性の知人の30代男性の個人情報を漏らしたとされる。

 被告は「現金をだまし取るつもりはなかった」と否認。「借金でお金がないことを上司に知られたくなかった。40代男性に個人情報を伝えてお金にならないかと考えた」などと供述しているという。消費者金融などに数百万円の借金を抱えていた。

 また、上司の川越署前刑事課係長を本部長訓戒、副署長ら関係幹部4人を注意処分とした。

 近藤勝彦首席監察官は「県民の信頼を大きく損ねる行為であり、被害者と県民の皆様に深くおわびする。職員への指導を徹底し、再発防止に努める」とコメントした。採用後5年未満30歳未満の若手職員に対し、上司の指導や教養を充実させていくという。

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