娘死亡、生後3カ月…「申し訳ない気持ちでいっぱい」の母、病院に行かせず悲劇 手を上げる夫に従った日々
2023/01/27/00:00
2020年9月、夫と共謀して生後2~3カ月だった娘に適切な医療処置などを受けさせず死亡させたなどとして、保護責任者遺棄致死などの罪に問われた、美里町関、母親の無職金井あずさ被告(30)の裁判員裁判の判決公判が26日、さいたま地裁(北村和裁判長)であり、北村裁判長は懲役6年6月(求刑・懲役8年)を言い渡した。
判決理由で北村裁判長は、けがで娘の喜空(きあ)ちゃんが哺乳困難で体重も増加していないことを金井被告は認識していたと指摘。「歯茎からの出血や肋骨(ろっこつ)の異常に気付き、体調悪化を認識しながら、数週間にわたり医師による治療行為を受けさせなかった態様は悪質」とした。
一方で金井被告は、喜空ちゃんの状態を心配してウェブ検索するなどしており、育児を怠っていたわけではないと認定。病院に連れて行かなかったことの責任は重いものの、「金井被告に手を上げることもあった夫に受診を促していた。虐待を疑われるため、強く反対されたことが影響していることからすると、それほど強く非難することはできない」と述べ、同種事案の中では中程度からやや軽度に属するとした。
金井被告は最終陳述で「娘に申し訳ない気持ちでいっぱい」などと反省の弁を述べていた。
判決によると、金井被告は夫の裕喜被告(31)=同罪で懲役10年判決、控訴=と共謀し、20年8月ごろ、喜空ちゃんが下顎骨骨折などで哺乳困難になり、同年9月上旬ごろには肋骨骨折をしていたにもかかわらず、医療処置などの適切な保護を行わず放置し、同月11日ごろ、全身機能障害により死亡させるなどした。