埼玉新聞

 

大丈夫!負けなイシ、スベらない 西武鉄道が受験お守り 運転士「応援の気持ち伝えたい」 18日に配布へ

  • 砕石や砂を入れた受験生向けのお守りを制作する西武鉄道の職員=2日、所沢市

    砕石や砂を入れた受験生向けのお守りを制作する西武鉄道の職員=2日、所沢市

  • 砕石や砂を入れた受験生向けのお守りを制作する西武鉄道の職員=2日、所沢市

 西武鉄道(本社・所沢市)は、入学試験に臨む受験生を応援しようと、線路の砕石を使った「負けなイシ」と列車の滑り止めに用いる砂を入れた「スベらない砂」のお守り2種類を製作している。2日には同市の所沢駅に隣接する商業施設内で、駅員ら10人が製作に取り組んだ。砕石入りは約200袋を、砂入りは約800袋を作り、同駅南改札内の屋外デッキ付近で18日に配布する。

 お守りは同社小手指乗務所の運転士柴山晴稀さん(27)が考案した。「今の受験生はコロナ禍でコミュニケーションの少ない学生生活を過ごしてきたと思う。学生たちがマスク姿で列車に座っている姿を見ると、悲しい気持ちになることもあった」と明かし、「応援している気持ちを伝えたいと思った」と動機を語る。

 「負けなイシ」のお守りには、西武池袋線桜台―大泉学園間の高架区間に使われている消音用の砕石(約3センチ)を用いる。線路の下で日々、重い列車の運行を支えていることから「受験生が重圧に負けずに実力を発揮し、志望校に合格してほしい」との願いを込めたという。柴山さんは「砕石はコロナ禍で強く耐えている学生とマッチするものがあるのではないかと思った」と語る。

 「スベらない砂」は同社のけん引車が車両を輸送する際に、車輪が空転しないようレールの間に敷く砂を入れる。「空回りせず、すべらずに志望校に合格してほしい」との意味が込めてある。

 2日の作業で駅員らは砕石1個ずつと砂数グラムずつを、それぞれジッパー付きの小袋に入れ、「合格祈願」の文字とともに列車がデザインされた袋(縦14センチ、横9センチ)に詰め、砕石約40袋を、砂は約200袋を完成させた。同社は配布当日までに計約千袋を制作する。

 西武線沿線では21日に都立高校の入試が、22日には埼玉県公立高校の入試が行われる。柴山さんは「受験は緊張するとは思うが、砂や石を見て、リラックスして試験に臨んでほしい」と話している。

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