懐かしい?新しい?学校給食に「鯨肉料理」 市制施行50周年記念し、富士見市 4年生「家でも食べたい」
2023/01/28/00:00
昭和時代、栄養価の高い食材として家庭や学校給食で食べられていた鯨肉料理が24日、富士見市の全小学校11校と全中学校6校の給食で提供された。初めて食べる児童や生徒らが多かったが、中には何回もお代わりする児童も。約8300人の児童・生徒らは牛や豚とは一味違った鯨肉を味わった。
給食の鯨肉提供は、同市の市制施行50周年記念事業の一環。鯨肉を食べた経験のない児童や生徒らに鯨肉のおいしさを味わってもらうとともに、昔の給食を食べて、何気なく食べていた食材を育てたり、確保した人たちや作り手などに感謝の気持ちを持ってもらうのが狙い。
学校給食センターによると、同市は1966(昭和41)年から給食が始まり、昭和の時代に鯨肉が提供されていたという。
この日の給食メニューは、鯨肉の甘酢あんかけとふりかけご飯、牛乳、ニンジンやダイコン、豆腐などを具材にしたみそ汁、キュウリの五分漬け。星野光弘市長や山口武士教育長らは同市役所に近い諏訪小学校(庄司政之校長、児童数727人)の教室で、児童らとともに食べた。
星野市長が喫食した4年3組では午後0時40分に配膳が完了。同市長は「小学3年の時に給食が始まり、1カ月に1、2回クジラが出ていた。おいしかったのを覚えており、懐かしく楽しみ」などと説明。その後、児童らの「いただきます」の声で一斉にスプーンが動き始めた。
完食した弓削太聖くん(10)は「母親は食べた経験があるが、自分は初めて。豚肉のように柔らかく、これならご飯がなくてもおいしく食べられる」、同じく初めて食べた高橋志乃さん(9)は「牛肉みたいな歯ごたえでおいしい。家でも食べたい」と話した。