社長焼死…仕事仲間2人、暴行で頭蓋骨陥没させて火を付け、元妻が継いだ会社へ架空請求 生前も水増し請求
昨年5月、朝霞市の内装会社「長葭(ながよし)内装」が全焼し、同社元社長の男性=当時(43)=が殺害され、仕事仲間の男2人が殺人と現住建造物等放火罪で逮捕、起訴された事件で、朝霞署捜査本部は16日、実態のない工事の報酬を同社に請求するなどしたとして、内装業の男(38)を詐欺未遂と詐欺の疑いで、元内装工で無職の男(31)=いずれも住居不定=を詐欺未遂の疑いで、それぞれ再逮捕した。
再逮捕容疑は共謀の上、請け負い工事の未払い報酬があるかのように装い請求書を作成。昨年6月3日に長葭内装に申請し請求金額計324万5千円を詐取しようとした疑い。さらに38歳男は昨年4月中に請け負った工事に対する報酬に稼働実態のない計44万円分を水増し請求。同6月6日、報酬の支払いを受け、上乗せ分の現金44万円をだまし取った疑い。県警は2人の認否を明らかにしていない。
捜査1課によると、昨年7月ごろ、事件の後に長葭内装を引き継いだ男性の元妻(45)に、放火殺人について聴取した過程で38歳男らが人件費を架空請求していたことが発覚。県警に相談したため実際に被害はなかった。その後、架空請求の稼働実態を捜査したところ、38歳男が4月に請け負った2種類の工事の人件費を水増し請求して不正な報酬を得ていたことも判明。架空請求は押収物や携帯電話のメールの精査などから男2人の共犯と特定した。水増し請求は38歳男の単独犯とみている。
昨年5月14日、2人は共謀して長葭内装内で男性の頭部をバールで複数回殴り、頭蓋骨陥没骨折などの傷害を負わせた上、火を放ち事務所兼作業場を焼失させるとともに男性を急性一酸化炭素中毒などで死亡させたとして、県警に11月20日に逮捕された。
県警は詐欺未遂、詐欺事件と放火殺人との関連を調べるとともに、38歳男が水増し請求した44万円の使途先についても捜査を進めている。