埼玉新聞

 

高校統合に反発…飯能の2高校統合、新校設置を県教委が提案 飯能市長が批判、市教委など取り下げ求める

  • 統合が提案された県立飯能高校

  • 統合が提案された県立飯能南高校

 地方の人口減少受け、県教育委員会が飯能高校と飯能南高校の統合と新校の設置を提案したことに反発が出ている。飯能市の大久保勝市長と市教育委員会は18日、県教委に19日の定例会での議案取り下げを要請。飯能市議会も取り下げ要求を決議した。

 県教委は「魅力ある県立高校づくり第1期実施方策(案)」の中で、2023年に2校を統合し「進学に重点を置いた普通科高校」を新設することを提案。要請書で大久保市長は、市側への告知が今月11日と唐突だったと指摘。県教委が新校設置に関し「具体的な協議や調整等の一切の手順を怠った」と批判した。

 一方、県教委は市側の要請と決議を「受け取った」としたものの、19日の定例会に議案を上程。24日~7月23日に県民コメントで意見を募集した上で、具体的な実施策を決定する方針を示した。

 県魅力ある高校づくり課によると、飯能南高校は15年度から5年連続で入学者の定員割れが続き、19年度は普通科の募集倍率が1・18倍、スポーツ科は0・53倍だった。飯能高校は19年倍率が1・26倍となり、5年連続で1倍を上回っているという。

 飯能高校の岩沢正明校長は埼玉新聞の取材に「まだ基本方針しか示されておらず、先は見えない」としつつ、「新しいコンセプトの新校を設立するということなので、良い学校をつくるため協力したい」と話した。

 同校には17日に県教委から正式に提案され、19日に生徒に伝えたという。飯能南高校は校長ら管理職が出張に出ているとしてコメントを控えた。

 「魅力ある県立高校づくり第1期実施方策(案)」ではほかに、本庄市の児玉白楊高校と児玉高校の統合と新校設置や、不動岡高校外国語化の生徒募集終了および普通科のみでの募集も提案された。

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