報酬6割増、減少食い止められるか…消防団員の処遇改善で入間市 年額12万円、県内自治体で最高水準に
2023/02/22/00:00
入間市は2023年度から、消防団員の年額報酬を1人一律4万7千円引き上げる方針を決めた。一般団員の場合、現行の年額7万3千円が、6割増の12万円になる。市内の消防団員は減少傾向にあり、現状では条例に基づく定数を満たしていない。杉島理一郎市長は会見で、報酬増額について「消防団員は地域の要。活動の負担軽減のために処遇改善を行う」と理由を述べた。
市によると、増額に伴い消防団員の報酬額は県内の自治体で最高水準になる見通しだという。
市内には全7分団(20部)の消防団がある。条例では団員の定数を313としているが、13~22年度の10年間は、年度当初の時点でいずれも300人を割り込んでいる。13年度には294人だったが、22年度は263人に減った。
市内の消防団員は会社員が6~7割を占めている。火災や台風など災害への出動のほかに、夜間警戒や会議、消防車両の整備・点検で1カ月に最低約10時間の業務に当たっている。こうした業務内容や時間を基に、1人当たり年額4万7千円の増額を設定したという。
改定では団長や分団長、部長、団員などの階層にかかわらず、一律同額の上乗せとなる。
最も報酬が高い団長の場合、現行の年額22万円に対し変更後は26万7千円となる。副団長は22万4千円、班長なら12万7千円にそれぞれ設定される。
市は16日開会の市議会3月定例会に、改正条例案と処遇改善のための増額分計約3535万円を提案した。
県内では坂戸市と鶴ケ島市が、消防団員1人当たり11万5千円の報酬を設定している。