市長らがヤゴ300匹を救出、川口の市民プール廃虚で 暑さの中、帽子もかぶらず無心に 小さな命救い満足
2019/06/22/00:00
川口市辻の旧鳩ケ谷市立沼田公園・市民プールの廃虚で19日、市役所自然保護対策室や公園課の職員ら10人が、プールにたまった雨水の中からトンボの幼虫のヤゴたちを網ですくい、約300匹を赤山に造成中の歴史自然公園(イイナパーク)の池に放した。
ヤゴはシオカラトンボ、ウスバキトンボ、ギンヤンマや赤トンボ類で、6種類。
ヤゴの救出の先頭に立ったのは奥ノ木信夫市長。少年時代から今も自宅でヤゴを育て羽化したトンボを放している。暑さの中、帽子もかぶらず無心に身をかがめ約2時間、ヤゴをすくっていた。「これで少しでも小さな命を救えた」と満足した様子。
この場所で一番迫力があるのはギンヤンマのヤゴ。体長は5センチもあり、他の1、2センチのヤゴと比べると牛と犬の違いぐらいの差がある。4月に発足したばかりの自然保護対策室の清水慎之助さん(27)は「頭が四角いのがシオカラ、三角で目が飛び出しているのがウスバキです」と説明した。
沼田公園の市民プール(約9500平方メートル)は川口市との合併の前年の2010年から閉鎖されている。市は近く新たな公園にするなど再利用の検討に入るという。