「学問の神様」が受験生出迎え 先輩が「天神様人形」制作しエール 現在は岩槻区内で展示中 埼玉・開智中
2023/02/26/06:00
さいたま市岩槻区の開智中学校の生徒たちが、同区の伝統産業である人形作りに挑戦した。生徒らは学問の神様である菅原道真公をかたどった「天神様」人形を制作。作品は岩槻駅周辺で開催中のイベント「まちかど雛(ひな)めぐり」の会場などに展示されている。
同校の「地域貢献型探究活動」の一環で、岩槻の伝統産業である人形を探究するプロジェクトとして2年生7人が取り組んだ。生徒たちは昨年8月から岩槻の人形工房を訪問し、人形の制作現場を見学したり、人形作りの工程を体験するなど学びを深めてきた。
生徒の1人から「天神様人形を作って受験生を応援しよう」とアイデアが上がり、昨年10月から人形制作が始まった。区内の人形工房の協力の下、伝統的な人形作りに使われる桐塑(とうそ)の生地に衣装を着せ付ける「木目込み」や、面相描きにも挑戦。冬休みも使って計13体の天神様人形を完成させた。
「実際に作ってみて難しかったが、いろいろな発見があって楽しかった」と藤丸真奈さん。中島優葵さんは「1体1体を作るのにとても時間がかかった。もっとみんなに岩槻人形を知ってもらいたい」。池田結香さんは「自分で作ってみて、お店に売っている人形をじっくりと見るようになった」と話していた。
生徒たちが制作した人形は1月に行われた同校の入試当日、受付に展示された。「受験生や保護者が写真を撮ってくれてうれしかった。自分たちの作品をきっかけに、岩槻人形への関心を広げていければ」と生徒たちは話していた。
天神様人形は、「まちかど雛めぐり」(3月12日まで)が開催されている東玉大正館(同区本町)、ほてい家(同区仲町)で見ることができるほか、岩槻駅改札前のガラスケースにも展示されている。