埼玉新聞

 

ムジナモ600株、児童が沼に放流 羽生の小学校で保護活動「これからも大事に」「たくさん増えて」

  • 瓶やポリ容器に入れたムジナモを放流する三田ケ谷小の児童たち=羽生市三田ケ谷の宝蔵寺沼

 羽生市弥勒の市立三田ケ谷小学校(細村一彦校長、児童数86人)の全校児童が、食虫植物ムジナモの自生地として国の天然記念物に指定されている学校近くの宝蔵寺沼を訪れ、学校の池で育てたムジナモ約600株を自生区域外に放流した。

 ムジナモはモウセンゴケ科の多年草で、根を持たない浮き草。ミジンコなどの動物性プランクトンを捕えて養分にしている。夏季にまれに米粒大の白い花を咲かせる。絶滅危惧種として知られている。

 同小は、6年生が中心となり、同市ムジナモ保存会(尾花幸男会長)の指導を受けながら1983年から保護・増殖活動を行っている。36年目の今回も、国内唯一となった羽生水郷公園内のムジナモの自生地を訪れて、指定された場所にびんやポリ容器に入れたムジナモを放った。

 細村校長によると、学校の池では毎朝、藻のアオミドロを取ってあげたり、水の管理をしたりしている。増殖は順調にいき、例年だと500株ほどの放流だが、今回は約100株増やして放流した。

 6年生の仲村渠(なかんだかり)善君は「ムジナモは宝蔵寺沼しか自生していないので、これからも大事にしていってほしい」。深井美稀さんは「ムジナモは絶滅危惧種なので、たくさん増えるようにしてほしい」と期待を寄せていた。

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