イオン所沢店が閉店へ…38年の歴史に幕 グランエミオ所沢との競争に勝てず 他のイオンより苦戦の理由は
所沢市東町の「イオン所沢店」が9月末に営業を終了する方針であることが26日、関係者の話で分かった。売り上げの不振が要因とみられる。出店する専門店も、同月末に営業を終了する。前身のダイエー所沢店を含め38年の歴史に幕を下ろす。
イオン所沢店は西武所沢駅西口から徒歩約5分の場所に立地し、1981年11月にダイエー所沢店として開店した。店舗は地下1階と地上7階の8フロアで構成し、全体の売場面積は約2万2千平方メートルで、イオン所沢店は約1万1千平方メートルを占める。535台分の駐車場もある。従業員は276人(パート含む)
食料品や衣料品を中心に扱い、同駅周辺の中核的な商業施設として集客をけん引してきた。しかし開店から30年以上が経過し、販売競争力が低下したほか、多様化する消費者ニーズなどで業績が低迷。売り上げもピーク時より落ち込んでいたという。
昨春開店した同駅直結型の商業施設「グランエミオ所沢」などに客が流れたのも響いたとみられる。
ヤマダ電機や手芸用品店のユザワヤなど専門店が42店ある。各店もイオンに合わせ、9月末に営業を終了する。
イオンの広報担当者は「当社の店舗は2~3階建ての郊外型が主流だが、所沢店は多層階で駅に近い店舗で効果的な集客策を打ち出せなかったことが響いた」と説明した。
所沢市や所沢商工会議所などには営業終了の方針を伝えているという。従業員は本人の希望を踏まえ入間市や狭山市などのグループ店舗に配置する方針とした。
建物は東栄(所沢市)が所有するが、埼玉新聞の取材に「(イオンの営業終了などについて)お答えできない」とした。
前身のダイエー所沢店が開店した当時は、関西が地盤のダイエーが西武グループの中核地の同市に出店したこともあり注目された。地域密着型の店舗として親しまれ、2005年に経営再建中の同社が同店を閉鎖リストに挙げたが、市民らの強い反対もあり、閉鎖を撤回した。
15年にイオンがダイエーを完全子会社化したことから、16年3月からイオン所沢店として再出発していた。