埼玉新聞

 

聞きなれぬ警笛音、踏切内で男性が立ち往生 近くに住む夫妻、遮断棒を持ち上げ救助 幸手署が感謝状

  • 杉本署長から感謝状を受け取る富永夫妻

 幸手署は26日、遮断棒に引っ掛かり踏切内で立ち往生していた男性を避難させ人命救助に貢献した、幸手市の会社員富永武さん(39)と妻の裕美子さん(39)に感謝状を贈った。

 14日午後10時5分ごろ、幸手市西一丁目、東武日光線幸手駅と南栗橋駅間の踏切近くに住んでいる富永夫妻が、自宅リビングで「ファーン、ファーン」という聞きなれない警笛音を耳にした。窓を開け踏切方向を確認すると、市内に住む無職男性(70)の自転車のハンドルが、遮断棒に引っ掛かり、男性が踏切内で立ち往生していたのを発見した。

 富永夫妻は急いで男性の傍へ駆け寄った。裕美子さんが遮断棒を持ち上げている間に武さんが男性を避難させた。

 同署と富永夫妻によると、男性がいた場所と反対側の線路を走行していた南栗橋行きの急行列車は、男性に気が付き急ブレーキをかけて停車した。車掌が降車して男性の安全を確認し、車両点検をした後、約10分後に運転を再開したという。

 富永夫妻は、数年前にも踏切内で立ち往生していた高齢男性の人命救助をしており、今回の救助に対しても「事故にならずに良かった」と話していた。

 杉本達彦署長は「機転を利かせ立ち往生していた男性を救出し、二次被害を防止していただいた」と述べた。

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