埼玉新聞

 

「ジャンボいなり」これからも…文化庁の「100年フード」に県内3品が認定 あの偉人の好物も

  • 「100年フード」に認定された妻沼のいなり寿司

    「100年フード」に認定された妻沼のいなり寿司

  • 「100年フード」に認定された妻沼のいなり寿司

 文化庁は3日、地域に根付く食文化を「100年フード」と名付けてPRする制度で、山形芋煮などの70件を認定したと発表した。埼玉関係では妻沼のいなり寿司(ずし)、煮ぼうとう、狭山茶が認定され、食に関する情報発信に取り組む博物館や道の駅などの「食文化ミュージアム」には、入間市博物館と金笛しょうゆパーク(川島町)が認定された。

 100年フードは3部門あり、江戸時代以前から伝わる「伝統」に45件、明治・大正から続く「近代」に9件、昭和以降に生まれ今後100年の継承を目指す「未来」に16件が認定された。今回は3部門で90件の応募があった。

 妻沼のいなり寿司は熊谷市妻沼地域の郷土料理で、国宝「歓喜院聖天堂」の参拝土産の定番。しょうゆと砂糖で煮た油揚げに酢飯を詰めた細長い俵形で、長さが10センチ以上の“ジャンボサイズ”なのが特徴。これに、かんぴょう入りのり巻きが入る。現在「森川寿司店」「小林寿司店」「聖天寿し」などで販売する。

 煮ぼうとうは深谷市と近隣の郷土料理。特徴は幅広の麺と、特産である深谷ねぎ、地元で収穫される根菜類をたっぷり使い、生麺の状態から煮込む。生麺から煮込むことで、適度なとろみが生まれ、しょうゆで味を付ける。深谷出身の実業家渋沢栄一も好んで食べたといわれる。

 狭山茶は主に県内や埼玉県に隣接する東京都西部地域で生産されたお茶。茶産地としては北方に位置するため、摘採(てきさい)回数が少なく、茶葉がじっくり育つことから、味が濃いとされる。また「狭山火入れ」と呼ばれる強い火入れを行うことで、独特の香ばしさが生まれる。

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