埼玉新聞

 

<所沢中2殺害>死亡少年との関係を教員に相談していた少年 学校側「2人は仲が良かっただけではない」

  • 記者会見する所沢市教育委員会の出居正之学校教育部長(左)と戸村達男同次長=8日午後、所沢市役所

 所沢市の住宅で市立中学2年の本郷功太郎さん(13)が同級生の少年(14)に刃物で刺されて殺害された事件で、所沢市教育委員会は8日、記者会見を開き、少年が本郷さんとの関係について学校に相談し、対応をしていたと説明した。相談の時期や内容は明らかにしなかった。

 市教委幹部は「学校や市教委の対応が適切だったかの検証は必要」とも述べた。

 会見には出居正之学校教育部長と戸村達男同次長が出席。「少年と学校の教員が話し合いを持ったことは事実」としたが、相談のきっかけや時期、内容や回数についてはまだ詳細を確認できておらず、警察の捜査に協力するため、現段階での回答は控えるとした。

 2人の関係性について「特段、教員が目を配るような難しい関係ではなかった」としながら「仲が良かった面も把握している一方で、トラブルとは言えないが、仲が良かっただけではないことも把握している」と説明。教科書を隠されたという報道については「学校と市教委は現段階で把握をしていない」と話した。

 6日に行われた記者会見では、2人の通う中学校の校長が2人に関して「大きなトラブルはなかった」としていた。8日の会見で市教委は「全く何もなかったということではなく、2人の関係性の中で何かがあったことについては学校と市教委は把握していた」とした。

 6日の説明については「まだ確認ができていなかったので、このような説明になった」と釈明した。

 今後について出居部長は「現段階では在校生の心のケアを中心に行っていく。このようなことが二度と起きないように警察の捜査の結果を含めて、学校や市教委の対応が適切だったのか検証が必要と考えている」と話した。

 同校では8日朝、全校集会を開き、全校生徒に校長が説明を行った。その後、全学年全クラスでアンケートを行い、同じクラスの生徒とアンケートで不安を訴えた生徒約60人に対してスクールカウンセラーや心理士などによる面接を行ったという。

 9日に臨時保護者会を開き、事件の経過の説明や今後の対応について説明する。

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