所沢市の住宅で市立中学2年の本郷功太郎さん（13）が刃物で刺されて死亡し、この家に住む同級生の少年（14）が殺人容疑で送検された事件で、少年宅の台所にあった包丁に一見して血が付いていなかったことが9日、捜査関係者への取材で分かった。少年は台所の包丁で刺したなどと供述しており、県警は少年が台所にあった包丁で本郷さんを刺した後、洗うなどした可能性もあるとみて、慎重に裏付けを進める。

　捜査関係者によると、これまでに自宅の別の場所からは、事件に使ったとみられる刃物のようなものは見つかっていない。

　1階の居間から廊下にかけて血痕が付着していたことも判明。本郷さんは玄関先にあおむけで倒れているところを発見されており、県警は本郷さんが居間かその周辺で刺され、外に逃げ出そうとして倒れたとみて、当時の状況を詳しく調べている。

　本郷さんの腹や頭には複数の刺し傷や切り傷があり、司法解剖の結果、死因は胸部を刺されたことによる出血性ショックだった。

　県警は6日、本郷さんを刃物のようなもので刺して殺害しようとしたとして、殺人未遂容疑で少年を逮捕し、殺人容疑で送検していた。少年は動機について「以前に教科書を隠されたことがあり、聞いたら知らないと言われてけんかになった」という趣旨の供述をしているという。