<高校野球>たくましい三つ子、出産時は1500グラム 川越西で最後の夏、胸が熱くなった両親
(埼玉大会=11日・越谷市民)
川越西3年の神田康志(こうじ)選手(18)、朋樹選手(18)、飛翔(つばさ)選手(18)は、同じチームに所属する三つ子の兄弟。18歳の誕生日と重なった11日に越谷市民球場で初戦に挑み、チームは見事勝利を収めた。
生まれた時は1500グラムだったという3人。たくましく成長した子どもたちの姿に、スタンドで見守った父武彦さん(45)と母由美子さん(44)は「胸が熱くなった」と話した。
同校野球部のOBでもある武彦さんは、3人が幼い頃から一緒にキャッチボールをしたり、プロ野球観戦に連れて行ったりしていたという。
3兄弟は小学4年で野球を始め、地元の少年野球チームで一緒にプレーした。中学時代は硬式野球チーム、中学校の野球部と別々のチームで練習に励んだが、高校は武彦さんと由美子さんの母校でもある川越西にそろって進学し、野球部に入部した。
11日の第3試合、越谷総合戦に3人は控え選手としてベンチ入り。チームは投打がかみ合い順調に得点を重ね、七回表に代打で次男の朋樹選手が出場、七回裏には三男の飛翔選手が三塁、長男の康志選手がレフトの守備に就き、それぞれの役目を果たした。
夏の大会に初出場した飛翔選手は「初戦を勝てて良かった。一つ一つ勝ち上がりたい」と話した。
グラウンドに立つ息子たちの雄姿を見守った武彦さんは「生まれた時、1500グラムしかなかった子どもたちがよくここまで育ってくれたな、と胸が熱くなった」とこみ上げる思いを語った。
由美子さんは「緊張している様子が伝わってきて私も緊張してしまった。誕生日という特別な日に試合に出られて、本人たちも一生の思い出になったのでは」と笑顔を見せた。
3年生の3人は一緒のチームで野球をするのも今夏が最後。今後はそれぞれ違う進路を希望しているという。
「この先つらいことがあっても、1人じゃないということを忘れずに歩んでいってほしい。高校野球を通じて同じつらさを経験したからこそ、これからも協力して乗り越えていってもらいたい」。武彦さんと由美子さんは息子たちにエールを送った。