先ないから辞めろ…男性への上司パワハラで訴訟 行田市、賠償命令を受け入れる「男性の将来に資する」
2019/07/13/00:00
行田市消防本部の40代男性消防士長が上司からパワーハラスメント(パワハラ)を受けたことを巡り、安全配慮義務違反を認め市に約346万円の支払いを命じたさいたま地裁判決について、市は12日、控訴しないと明らかにした。石井直彦市長は「判決を受け入れる」と話した。
判決では「当時の消防長らが『消防士として先はない。辞めろ』などと退職を迫ったりした行為は、業務上の指導の範囲を逸脱している」と指摘。市に対しても、「消防本部内でのパワハラが問題提起されていたにもかかわらず、抜本的な対策を講じなかった」とした。
石井市長は「判決内容には受け入れ難い部分もあり控訴を検討したが、早期に決着することが既に職場復帰している本人の消防士としての将来に資するものと考え、受け入れることにした。指摘を受け、働きやすい職場環境にしていく」とコメント。
須永和宏消防長は「ハラスメントの根絶と職場環境の整備を徹底し、再発防止に努めていきたい」と話した。