<新型コロナ>卒業式でマスク外し同級生の素顔初見…埼玉443人感染4人死亡 感染以外でマスク外せぬ理由は
埼玉県は15日、新型コロナウイルスに感染した4人が死亡し、新たに0~90歳以上の443人の感染を確認したと発表した。感染者の内訳は県管轄が316人、さいたま市61人、川口市27人、川越市23人、越谷市16人。
これまでに確認された感染者は179万2879人。死者は3926人。14日夜時点の重症者は6人、入院は229人、宿泊療養は68人。
県によると県管轄で60~80代の男女4人が死亡した。さいたま、川口、川越、越谷市での死亡はなかった。
クラスター(感染者集団)関連は3件で、新たに医療機関で6人が感染した。
■「初めて素顔見た」マスク着脱、県立高校で卒業式
埼玉県立高校各校で卒業式が実施され、卒業生の門出を祝った。式中のマスクの着脱については政府の方針に従い、県教育局が式全体を通して外すことを基本として各校に通知。さいたま市西区の大宮光陵高校では生徒の判断に任せられたが、多くの卒業生や在校生がマスクを着用したまま式に臨んだ。
同局高校教育指導課などによると、本年度の県立高校の卒業生は全日、定時、通信制合わせて138校で3万4258人。公立小学校は22、23日、中学校は15日を中心に行われる予定。
大宮光陵高校は9日に卒業式を行い、卒業生323人と在校生、保護者らが出席した。式前は教員から在校生に「マスクを外しても構わないので、取れる人は取って卒業生を迎えましょう」とアナウンスがあったが、ほとんどの在校生はマスクを着けたまま。外していた生徒も、国歌や校歌を歌う際は着用。卒業証書授与、答辞、送辞などの代表生徒はマスクを外していた。
生徒会長の李月嬌(り・げっきょう)さん(18)は答辞で、「休校期間が明けた後も、マスクで隠れた素顔、中止になったイベント、短くなった夏休みなど、憧れていた学校生活とは違った」と振り返った。式後、マスクについて「初めて素顔を見た子もいた。私は率先してマスクを外したが、花粉症だから取らないという子も多かった。少し寂しかったが仕方ないと思う」と話した。
同校では本年度初めて一般公開の体育祭や文化祭を実施。小川慎校長は「生徒はずっとマスクを着けるように言われて過ごしてきた。外すと『素顔が恥ずかしい』ということも大きいようだ」と話した。