<川口いじめ>生徒側の弁護士、大津いじめ自殺事件の弁護士らに交代 市側を批判「非常識にもほどがある」
2019/07/18/00:00
川口市の市立中学校在学中にいじめを受け不登校になったのは学校や市教委の不適切な対応が原因として元男子生徒(16)が市に損害賠償を求めている裁判の第5回口頭弁論が17日、さいたま地裁(岡部純子裁判長)で開かれた。
市側はいじめがあったと認定した市の第三者調査委員会の調査結果を全面否定しており、元生徒側は調査委が認定したいじめが、いじめ防止対策推進法のいじめに該当するか否かについて市側に見解を求めていたが、市側は回答を留保し「次回に出す」とした。
元生徒側は今回から弁護人が、2011年に発生し、いじめ防止対策推進法につながった大津市中2いじめ自殺事件など、全国の関連裁判で代理人を務めた石川賢治、石田達也弁護士らに交代した。
元生徒側は事実経過などについて市側の主張に反論する準備書面を提出。市側が「母親が元生徒に会わせなかった」「いじめの訴えがなかった」などとし、元生徒側が虚偽だと反論していることについて、石川弁護士らは市側に「あまりに度を越した虚偽主張は懲戒事由となり得ることを念頭において書面を作成されたい」と述べた。
昨年9月の第1回弁論で、市側が元生徒側に卒業証書を渡そうとして拒否されたことに、石川弁護士らは「期日(裁判)のついでに、法廷で代理人に渡そうとするなど、非常識にもほどがある。人生の節目に受け取る書状に対する意識の低さにはあきれるばかりで配慮の欠如を示す」と述べた。
石川弁護士らは裁判終了後に会見し、「第三者委の調査結果を覆す主張は、知る限り前代未聞。対策推進法には自治体が調査委員会の結果に従えとは書いてはいない。しかし、再発防止のために調査委を尊重するべきで、(市側の否認は)法の精神に逆行している」と批判した。