武南は0―3の四回に伊藤、植草の連続適時打で追い付き、五回には小沢の2点打で勝ち越しに成功。松山は守備の乱れから流れを失った。

■打線が1巡するまでは

　したたかに、我慢強く好左腕を攻略した武南がDシード松山を破って、4回戦へ駒を進めた。

　「ストレートを打たないよう指示した」と新井監督。打線が1巡するまでは直球に手を出さず、松山の先発大島が得意とする低めの変化球の見極めつつ、スイング。その軌道を確認した。

　1巡目の"狙い"が結果的に布石となった。

　2巡目に入った0―3の四回、2死二、三塁から伊藤の打球が一塁を強襲して2点を返すと、続く植草が「変化を見極め、追い込まれても対応できた。真っすぐに絞った」。変化球を狙っていると見せかけて、相手バッテリーに投じさせた外の直球を狙い済まして強振。左中間を破る同点二塁打で警戒していた大島をノックアウトした。

　五回には連打で松山のエース左腕吉田を引きずり出し、1死二、三塁から小沢が「代わりばなをたたいてやろうと、ストレートを張った」と高めの直球を中前に運ぶ2点打で勝ち越しに成功した。

　2、3回戦の2試合で7安打と絶好調の小沢は「この試合がヤマだと思っていた。流れを次に生かしたい」とチームの勢いを実感していた。