イオン、土用の丑の日へ「サケのかば焼き」投入 ウナギの資源確保に努め、かば焼き文化を将来へ
2019/07/23/00:00
27日の「土用の丑の日」が迫り、ウナギ商戦も本格化している。イオンではウナギの代替品として新たにサケのかば焼きを商戦に投入した。世界的に絶滅が危惧され、資源の確保が課題となっている。同社はこれらの対応を進めつつ、サケを含め従来より扱う代替品の販売も強化し売り上げ増を狙う。
新投入したのは「鮭(サケ)腹身の蒲焼」(100グラム、税込み429円)で、6月から県内含めイオン各店で販売を開始した。サケは生産、加工、流通まで適切に管理していることを示す国際認証「ASC認証」を取得したものを使う。
ウナギのかば焼きと同様に調理している同商品。噛めばサケだと分かり、ウナギが少し苦手な人でも味わえるという。食べやすいように、骨を取って一口大に切り分けた商品「骨取り鮭ハラスの蒲焼」(同321円)もある。
ニホンウナギの稚魚の漁獲量は年々減少し、資源確保が喫緊の課題となっている。同社はこれらの状況を踏まえ、「代替蒲焼」の開発に注力。サバ、ナマズ、豚などウナギ以外のかば焼き商品を投入してきた。今夏はサケのかば焼きを投入し、商戦での新たな消費者の需要を掘り起こす。
商戦の主役であるウナギについては、産地や生産地が明確化した、トレーサビリティー(生産履歴の追跡)を徹底した商品を提供する。インドネシア産(同861円)と静岡県産(同1922円)を販売。需要の取り込みを図る。
同社によると、足元で国産ウナギの仕入れ価格は1割程度上がっている。その中で商戦全体の売り上げを昨年の5%増を目指すという。サケなど代替品では2割増を狙う。
同社は「絶滅が危惧されるウナギの資源確保に努めながら、『代替蒲焼商品』も幅広く提案し、かば焼き文化を将来へ継承する一助を果たしていきたい」としている。