埼玉新聞

 

<新型コロナ>花見シーズン、大勢がマスク着用…しない人も徐々に増 埼玉466人感染3人死亡「夏が怖い」

  • 桜の下で会食を楽しむ花見客ら=21日、さいたま市大宮区

    桜の下で会食を楽しむ花見客ら=21日、さいたま市大宮区

  • 熊谷桜堤で花見を楽しむ人たち=22日午後、熊谷市内

    熊谷桜堤で花見を楽しむ人たち=22日午後、熊谷市内

  • 桜の下で会食を楽しむ花見客ら=21日、さいたま市大宮区
  • 熊谷桜堤で花見を楽しむ人たち=22日午後、熊谷市内

 埼玉県は23日、新型コロナウイルスに感染していた3人が死亡し、新たに0~90歳以上の466人の感染を確認したと発表した。感染者の内訳は県管轄が318人、さいたま市87人、川口市31人、川越市9人、越谷市21人。1週間の感染者数の平均は298・9人。

 これまでに確認された感染者は179万5314人。死者は3950人。22日夜時点の重症者は5人、入院は176人、宿泊療養は42人。

 県によると県管轄では80代の男性2人が死亡。川口市では70代の男性1人が死亡した。

 クラスター(感染者集団)関連は1件で、新たに感染が確認された施設はなかった。

 県教育局によると、県立学校の学級閉鎖はなかった。

■県内の桜名所、感染防止の協力要請継続

 新型コロナウイルス対策のマスク着用が個人の判断に委ねられて迎えた桜の季節。県内の名所では、縮小していた祭りの規模が元に戻る一方、距離を取るなど感染防止策への協力要請は継続され、マスク姿の観光客が多い。コロナ禍以降、初めて経験した花見に「懐かしい」と感激する人も。本来の春が訪れるのはもう少し先になりそうだ。

【大宮公園】ほぼマスクの人、しない人も徐々に

 21日、さいたま市大宮区の県立大宮公園では七分咲きの桜を多くの人が観賞した。昨年まで設けられていた会食や一方通行などの規制は解除され、開放的な雰囲気となったが、飲食中を除いてはほとんどの人がマスク着用を続けていた。

 家族9人で訪れた同市北区の根本茂雄さん(63)はマスクを着けてベンチに腰かけ、楽しそうな子や孫を眺めた。妻のあつこさん(63)は「この(家族の)中ではマスクを外すけど、コロナもまだ心配だし、花粉症もある」とマスクのずれを直した。

 大宮公園での花見は初めてという上尾市の山崎咲さん(33)は「思ったより咲いてる。来てよかったね」とマスクを外した素顔で桜を見上げた。夫の拓紀(ひろき)さん(33)も「マスクはない方が楽」と話し、子どもたちもはしゃいだ声を上げた。

 10年以上、花見の時季に大宮公園の警備に当たっている70代男性は「ほとんどの人がマスクをしているが、少しずつしない人が増えてきた」と話し、「ゆっくり花を見られる状況はコロナ禍が初めてだった。人が少ない静かな大宮公園もよかった」。売店は午前中で弁当が売り切れるほどの盛況ぶりで、店番の男性(79)は「ゆったりのんびりしたお客さんが多い。今はまだマスクが多いが、夏には外す人が増えるから怖い」と不安を口にした。

【熊谷桜堤】混雑する都心避けて来た人も

 熊谷市観光協会は市内の熊谷桜堤で、23日から4月5日まで「熊谷さくら祭」を開催。新型コロナウイルスの影響で2020年と21年は中止となり、昨年は規模を縮小して3年ぶりに実施した。今年はコロナ禍以前と同等の制限のない形で行われる。会場にはぼんぼりを設置し、午後6時から同9時まではライトアップを行い、露店も出店する。

 宴会自粛などの制限は設けないが、混雑時のソーシャルディスタンス(社会的距離)の確保など、感染防止対策への協力を引き続き依頼。今年は開催期間中の26日、4月1、2日の土日は、荒川河川敷内の臨時駐車場を有料(1日1台千円)とした。会場周辺の混雑緩和に向けて、公共交通機関や近隣の民間駐車場を利用してもらうよう、ホームページなどで周知を図る。

 訪れる花見客はマスクを着用している人が多い。22日に都内から熊谷桜堤を訪れた、いずれも韓国出身の男子大学生2人組は「上野は人が多かったので、都心から離れた場所で、桜が有名な場所を探して来た」という。

 花見をしていた行田市在住で30~40代の夫婦は「花見はコロナ前には各地に行っていたけど、コロナ禍になってからは初めてなので、懐かしい感じがした」と印象を語り、「普段はまだマスクは外せないけど、屋外でマスクを外すのは気持ちがよかった」と話した。
 

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