看護師ら再逮捕、病院から覚醒剤用に注射器盗んだ疑い 注射器は闇ルートで高値、密売人に渡し覚醒剤値引き
覚醒剤を使用するための注射器を勤務先の病院から盗んだとして、県警組織犯罪総合対策本部と朝霞署は1日までに、窃盗の疑いで、東京都板橋区西台2丁目、看護師の男(35)とアルバイトの男(35)=いずれも覚せい剤取締法違反罪で起訴=を再逮捕し、さいたま地検に送検した。
看護師らは「400~500本盗んだ」「覚醒剤を買うときに注射器を渡して値引きしてもらった」などと供述。県警は看護師らが注射器を大量に盗み、密売人に譲り渡していた可能性もあるとみて調べる。
2人の再逮捕容疑は6月29~30日の間、看護師が勤務する東京都板橋区内の病院で注射器19本を盗んだ疑い。「自分たちで覚醒剤を使うためや、他人に譲り渡すために盗んだことは間違いない」と容疑を認めているという。
薬物銃器対策課によると、2人は知人で集合住宅の一室に同居。アルバイトの男が依頼し、看護師が6月29~30日の夜勤の際に注射器を盗んでいた。2年ほど前から同病院に勤めていたという。
盗まれた注射器は0・5ミリリットル容量で、厚生労働省が定める薬価基準では1本約25円。同省の許可を得た業者が病院などに販売しており、個人で購入する際には医師の処方箋が必要。医療用で一般流通しておらず入手が困難なため、闇ルートでは高値で取引されているという。
覚醒剤の密売事件を捜査する過程で、客として看護師らが浮上。
県警は7月1日、両容疑者の自宅を家宅捜索し、覚醒剤約2・4グラム(末端価格約14万5千円)を所持したとして、覚せい剤取締法違反容疑で2人を現行犯逮捕した。また、新品の注射器24本が見つかったことから、入手先について捜査していた。
看護師が勤務していた板橋区内の私立病院はホームページによると、200床以上の病床を持ち、職員数は600人を超える総合病院。総務課の担当者は埼玉新聞の取材に「何も答えられない」としている。