埼玉新聞

 

お隣同士で連携! 幸手市と杉戸町、コミュニティバス相互乗り継ぎへ 1日乗車券の価格に違いも変更なし

  • 調印式で協定書を手にする幸手市の木村純夫市長(左)と杉戸町の窪田裕之町長(幸手市提供)

    調印式で協定書を手にする幸手市の木村純夫市長(左)と杉戸町の窪田裕之町長(幸手市提供)

  • 調印式で協定書を手にする幸手市の木村純夫市長(左)と杉戸町の窪田裕之町長(幸手市提供)

 埼玉県幸手市と杉戸町は4月1日から、それぞれ運行している「コミュニティバス」を相互に乗り継ぎできるようにする。1日乗車券を購入すれば新たに運賃を支払うことなく乗車可能。隣接自治体同士で連携し、一体的な交通手段を確保することで、交通弱者の支援や交流人口の増加を目指す。県内では上尾市と桶川市、鶴ケ島市と坂戸市などで同様のサービスを提供している。

 両自治体でそれぞれ実施しているサービス内容は変更しない。1日乗車券(大人)は、バス車内でそれぞれ発行している既存のものを利用し、幸手市300円、杉戸町400円で購入できる。例えば、杉戸町民にとっては幸手市内のショッピングセンターや県営権現堂公園などへのアクセスが良くなる。幸手市民にとっても杉戸町の道の駅アグリパークゆめすぎとや大型温浴施設などへの交通利便性が向上するとしている。

 幸手市は昨年1月から市内循環バスの運行を再開。開始月の利用者数は1日平均で54人だったが、1年後の2月は同91人と目標値(同87人)を上回り、事業が軌道に乗ってきたとして新たなサービスの開始に踏み切った。1994年からコミュニティバス事業を継続している杉戸町は、既に幸手市の東埼玉総合病院などへの乗り入れも行っているため、交流人口の増加を促す新たな手段として期待している。

 杉戸町役場で行われた協定締結の調印式で、幸手市の木村純夫市長は「 同じ費用負担で移動可能となる範囲が広がり、使い勝手が向上する。互いの往来がしやすくなることで、住民同士の交流や経済活動の活性化なども期待できる」と指摘。杉戸町の窪田裕之町長は「交通弱者の支援はもとより両市町の発展に寄与する。市町間の移動を目的としたバス利用者が増えることで、持続可能な地域公共交通の運営にも大きく貢献する」との考えを示した。

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