<伊奈工場火災>危険物の貯蔵所が全焼、翌日まで燃え続け鎮火 近隣の8世帯23人、避難所で一夜
2019/08/05/00:00
3日午後7時半ごろ、伊奈町小室の化学メーカー「DIC」埼玉工場から火災が発生、敷地内の危険物屋内貯蔵所約718平方メートルが全焼した。火は翌日朝まで燃え続け、4日午後6時15分に鎮火が確認された。けが人はいなかった。
■けが人はなし 鉄道は通常通り運行
伊奈町や上尾署などによると、3日午後7時半ごろ、DICの工場で火災が起きたと119番があった。近隣の五つの消防本部から応援が駆け付け、車両31台、延べ140人が出動した。はしご車3台が上空から水をまくなど、消火活動を続けた。
火災により、近隣の住民8世帯23人が地区集会所に設置された避難所2カ所に避難した。一夜を過ごし、ボランティアが朝、炊き出しを行うなど対応した。
貯蔵所内には、製品の原料となる合成樹脂などが置かれていたが、ドラム缶が破裂した跡などがあったという。出火時は無人でけが人はいなかった。火は工場敷地内の別の倉庫にも延焼した。
現場は工場や住宅が混在する地域。近くにJR東北、上越新幹線や埼玉新都市交通の線路があるが、鉄道は通常通り運行した。
DICのホームページによると、同社は印刷インキなどで世界トップシェアの化学メーカー。同署と消防で出火原因や延焼などを調べている。