埼玉新聞

 

1万5千体の地蔵に鎮魂の灯明 小鹿野で盂蘭盆会、東日本大震災や熊本地震の犠牲者なども供養

  • 約1万5千体の地蔵の前に灯明がともされた盂蘭盆会=13日午後6時50分ごろ、小鹿野町飯田の地蔵寺

 盆の入りの13日、小鹿野町飯田の地蔵寺で恒例の「盂蘭盆会(うらぼんえ)」が行われた。山の斜面に所狭しと並ぶ約1万5千体の地蔵の前に灯明がともり、慰霊鎮魂の炎がゆっくりと揺れた。

 1980年から実施されている恒例行事で、今年で40回目。水子供養で知られる同寺は全国各地から地蔵が奉納され、周囲の山肌を埋め尽くす。祭られている水子だけではなく、祭られていない世の多くの水子たちの霊をはじめ、東日本大震災や熊本地震の犠牲者なども供養している。

 赤いよだれかけをかけた地蔵と風車の前にろうそくが供えられた。午後4時15分からろうそくに火がともされ、同5時45分からは本堂で式典を実施。徐々に日が落ちてくると、ゆらゆらとゆらめく炎で幻想的な空間に。厳しい暑さの中だったが、訪れた大勢の参拝客たちは地蔵の前にしゃがみ、静かに手を合わせて故人の冥福を祈っていた。

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