埼玉新聞

 

「何が起こるか分からない」…埼玉県警とJR東、走行中の新幹線でテロ対処訓練 大宮駅で「不審者」確保

  • 刃物を持ち警備員を威嚇する不審者役=4日午前、高崎―大宮間を走行中の上越新幹線車内

    刃物を持ち警備員を威嚇する不審者役=4日午前、高崎―大宮間を走行中の上越新幹線車内

  • 刃物を持ち警備員を威嚇する不審者役=4日午前、高崎―大宮間を走行中の上越新幹線車内

 5月に開催される先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)などを見据え、有事に適切な対応をしようと、県警とJR東日本は4日、走行中の新幹線内でのテロ事案対処訓練を実施した。

 訓練は高崎駅(群馬県)から大宮駅に向かって走行する上越新幹線の車両内で、G7サミットの開催反対を主張する刃物を持った不審者が現れた想定。周辺乗客が不審者役の刃物に気付くと、避難しつつ車内に備え付けられている非常通報装置を押して異常を知らせた。その直後から、車両に乗り合わせている警備員や車掌らはグループ通話システムで情報を共有しながら現場に駆け付け、盾などを使いながら不審者から乗客を遠ざけ避難させた。

 乗り合わせた鉄道警察隊員は「話を聞きますから、一度刃物を片付けましょう」と繰り返し説得。車両は大宮駅に緊急停車し、ホームから出てきた不審者を待ち構えていた同隊員や大宮署員らが確保し、訓練を終えた。そのほか、爆発物処理や警備犬による探索訓練なども行われ、連携を確認した。

 訓練を終え、JR東日本新幹線統括本部新幹線企画戦略部の高橋純世ユニットリーダーは「新幹線は駅間が長く何が起こるか分からない。さまざまな事案を想定することが大切」と話した。

 県警鉄道警察隊の井出瑞穂隊長は「実際のテロ事案に遭遇したら、まずは自分の身の安全を確保することを優先し、通報をお願いしたい」とし、「列車や施設の安心安全のため、JRと連携し警戒を強化したい」と話した。

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